2018年04月23日

ベース共通回路の入力インピーダンス

 私が子供の頃に読んだ百科事典には、ベース接地回路の入力インピーダンスは低いと書かれていました。ネットで調べると、数オームとか書かれていたりします。本当でしょうか。
 いつものように、広く浅い知識から。

年04月期 A-07 Code:[HC0301] : トランジスタ増幅回路の接地方式ごとの、電流・電力増幅度の比較
http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/H16/html/H1604A07_.html

ベース接地回路
http://www-nh.scphys.kyoto-u.ac.jp/~enyo/kougi/elec/node24.html

ベース接地回路の数式
http://nw-electric.way-nifty.com/blog/2013/01/post-f8b1.html

トランジスタの接地形式
http://jaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/edu/ec2/pdf/5.2.pdf

トランジスタ増幅回路
http://www.ieice-hbkb.org/files/01/01gun_07hen_02.pdf

 どの資料にも、ベース共通回路の入力インピーダンスは低いと書かれています。しかし、計算式まで示しているのに、具体的な数値がわかりません。

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 図は、教科書通りのベース共通回路を使えるようにした回路です。と言っても、実用的ではありません。入力インピーダンスを知るための回路です。今は、負荷が 1オームでオシログラフの波形が画面いっぱいに振れています。

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 サクサク進めます。負荷を 2.4kオームにすると、波形の振れが半分になりました。ベース共通回路の入力インピーダンスは 2.4kオームです。数オームでは無いですけど、低いですね。でも、エミッタ共通回路でも、入力インピーダンスが 6kオームとかは、普通ですよ。極端に低い訳では無いよいに思いますけど…?

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 入力インピーダンス 290オーム、出力インピーダンス 1kオームの回路で、75オーム負荷の信号を四倍に増幅する回路を作りました。高周波回路に使えます。
 使えそうな回路を設計すると、入力インピーダンスの低さが身にしみます。しかし、せいぜい 290オームですよ。数オームとか、どうしようもない低さではありません。

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 図は、エミッタ共通三段ダーリントン接続回路と繋げた回路です。つなげる事によって、周波数特性が良くなります。
 全体の入力インピーダンスは 18Mオームです。エミッタ共通回路の自己バイアス抵抗値が 100Mオームとなっていますが、10Mオームの抵抗器を十本直列に接続します。10Mオーム抵抗器一本の場合の入力インピーダンスは、十分の一の 1.8Mオームになります。ダーリントン接続を二段にしたら、入力インピーダンスは半分になります。
 AMラジオに使う場合は、結合コンデンサーを 1000pF にして、検波回路を通して低周波増幅します。エミッタ共通回路の自己バイアス抵抗値を 10Mオームにしても、選択度の良さがわかるはずです。
 ところで、10Mオームの抵抗器は、秋月電子さんで 100本入り 200円(税抜き)で売っています。これより安くは入手できないでしょう。売っているショップも少ないですね。
 ちなみに、ミスミさんで高抵抗値の抵抗器を売っています。例えば 33Mオームなら、

VR68000003305JAC00
https://jp.misumi-ec.com/vona2/detail/222005596180/?CategorySpec=00000243294%3a%3ah%0900000242935%3a%3ac%0900000243332%3a%3amig00000002558714&bid=bid_list_template

 10本 1650円です。高い…。
 サラダ油が 60Mオーム以上あるらしいですね。どうやって接続すれば良くて、どのようにすれば扱いやすいのか、ユーチューバーのネタになるかな?

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 両電源にして、ダーリントン接続を二段にすると、入力インピーダンスは 3.3Mオームになります。バイパスコンデンサーを外したかったので、ベース共通回路のトランジスターを PNP型にかえました。オペアンプで理想ダイオード検波すれば、損失も少なくなるでしょう。ストレートラジオだから妥協するものとか、私には理解できませんよ。何にでも、真剣勝負です。
posted by SIN at 22:00 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月22日

エミッター共通回路の本当の入力抵抗値

 バイポーラ・トランジスターの接地方法と入出力インピーダンスについて、多くの文献、サイトは広く浅く、時には間違った内容の情報を公開しています。
 そこで私は、エミッター共通回路の入力インピーダンスについてのみ、狭く深く、回路シミュレーターで調べました。

 先ずは広い知識、

年08月期 A-07 Code:[HC0301] : トランジスタ増幅回路の接地方式ごとの、電流・電力増幅度の比較
http://www.gxk.jp/elec/musen/1ama/H13/html/H1308A07_.html

 専門的な資料にも目を通し、

トランジスタの静特性(ベース接地・エミッタ接地)
http://www.eit.hirosaki-u.ac.jp/~chisaka/sei_tokusei.pdf

 そして、狭い知識、

トランジスタ増幅回路その4 (利得と入力インピーダンスの計算法)
http://www.op316.com/tubes/tips/semicon05.htm

 以上を斜め読みして、次に進みます。

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 図は、入力を電圧固定バイアスにしたエミッター共通回路です。増幅率は一倍です。出力インピーダンスは関係ないので、高抵抗値を負荷にしています。
 信号源に付いている抵抗器は、負荷です。今は 1オームの負荷ですね。
 入力信号は 0.4mVp-p の電圧を発生していますので、0.1V レンジは一目盛り 0.1V に、入力信号はグラフいっぱいに振れます。CH1、CH2 ともに同じレンジで同じ大きさの波形なので、入力インピーダンスの影響は受けていません。

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 入力に 50kオームの負荷をかけました。少し影響を受けていますが、気になりません。つまり、今の時点で、エミッター共通回路の入力インピーダンスは、50kオーム以上であり、さらにその二十倍以上と予測できます。その根拠は、入力インピーダンスは受けるインピーダンスの二十倍が好ましいと言われているからです。

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 入力に、1Mオームの負荷をかけたら、信号が二割以上減衰しました。しかし、まだエミッター共通回路の入力インピーダンスは高そうです。と言うのも、入力信号が半分に減ったら、それが入力抵抗値なのです。

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 入力に、3Mオームの負荷をかけたら、信号が半分になりました。このエミッター共通回路の入力インピーダンスは、3Mオームになります。しかし、本当にそうなのか、確かめてみます。

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 スイッチを切り替えて、3Mオームの抵抗器二つで分圧したので、波形が半分になりました。
 簡易な計算法では、エミッター抵抗値に hFE 値をかけて、ベースバイアス抵抗値で並列接続計算します。今回はベースバイアス抵抗器はありません。


 物事を調べるには、狭く深くが良いです。

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 ちなみに、出力インピーダンスは、およそコレクター抵抗値の 10kオームです。

 トランジスターは入力インピーダンスが低い低いと言われるのが、何となく気に入らなかったので、単体では使われない、ちょっとイヂワルな回路を作りました。しかし、トランジスターは複数使って真価を発揮します。この回路は入力段に使えます。そう言えば、オペアンプの差動入力トランジスターのベースも電圧固定バイアスでしたね。

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 出力インピーダンスを 1kオームに下げて、ダーリントン接続しました。入力インピーダンスは 90Mオームになりましたが、これでも抑えて設計しています。私の持っている中国製の 100個 166円で買った 2N3904 の hFE値は、 320 を超えています。PNP トランジスターはこれより多いし、三重ダーリントン接続も可能です。安いトランジスターをケチって一個しか使わずに、入力インピーダンスが低いから FET の方が良いと、激安トランジスターの百倍以上の値段の FET を使う気が知れないですね。音の違いは別ですけど…それも信仰宗教みたいなところがあるし。一度、ブラインドテストをすれば良いんですよ。電子ルーレットにリレーを付ければ、それらしい装置が作れそうですよ。ユーチューバーのネタに使ってもらいたいですよ。

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 三重ダーリントン回路です。3個 5円相当の手持ちの中華トランジスターを参考にしています。入力インピーダンスは、3Gオームで、ベースバイアス抵抗器が邪魔をしている状態です。もっとも、6Gオームとか売っていないですけどね。そんな抵抗器は売っていなくても、トランジスターのエミッタ共通回路の入力インピーダンスを高くできるにもかかわらず、低い低いと言われ続けている。たった 5円でも、こんなに高くなるのに…。

 この回路のトランジスターは、hFE値がバラついても安定して動作しますが、設計外の、それぞれ hFE値が 80 のトランジスターを使うと、入力インピーダンスは 600Mオームに下がります。amazonで送料込み 100個 122円で売られている PNP型トランジスターでも、三重ダーリントン接続すれば、入力インピーダンスを高くできます。
posted by SIN at 11:53 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 電子工学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月16日

AM混合と中間周波増幅回路

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 図は、リニアIC、CA3028 を真似た 3028MDK によるミクサーと、IF-AMP 二段の回路です。

1000円トランシーバ製作記
http://www001.upp.so-net.ne.jp/jg1ead/poormanstrx/poormanstrx.html

 回路データを参照のこと。Linux QUCS 0.0.18 で作成しています。

am-mix-if-if.sch

 AM スーパーヘテロダイン受信機の中には、中間周波増幅段が一つのものもあります。今回は二段にしてみましたが、グラフを見る限り、一段で良さそうです。ただ、それはミキシング次第です。例えば図では、局部発振周波数と電波の周波数の電圧が同じですが、高周波トランス Tr11 の二次側(外側)の巻き数は、一次側より少ないです。これが、理想トランスを使うと、IF 一段だけでは波形が綺麗ではありません。

 AMラジオに差動カスコード(カスケード)回路は大げさでした。しかし、実際に作るなら、コイルはフェライトビーズを使って安く作りたいです。
posted by SIN at 23:11 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 電子工学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月15日

2N3904 - RF 1MHz AMP

 Linux で QUCS 0.0.18 を用いて、2N3904 で 1MHz の信号増幅をシミュレートしました。要するに、AM ラジオの周波数の動作をしています。

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 電源電圧 3V で、消費電流は 1.6mAです。hFE は 100 から 1000 までの動作を確認しています。2N3904 なら大丈夫です。

 ACシミュレーション、トランジェント解析のパラメータは図の通りですが、回路図ファイルも参考にしてください。

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 回路の細かい説明をします。この回路で、おそらく 2m バンド帯まで使えます。2N3904 はトランジション周波数が 2SC838 や 2SC839 より高いです。その当たりは、今後確かめてみます。
 この回路は、中間周波数増幅に適しています。出力を高周波チョークコイル負荷、または抵抗負荷にしても良いです。
 今後は、この回路を元に、色々実験したいです。

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 TAA263 を使ってみました。消費電流は 5.5mA と多くなりましたが、増幅率がかなり多くなります。IC を使えば手軽に増幅率を多くできますね。もっとも、この IC は、チップ部品で作る予定です。
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電源電圧が変わっても安定な定電流回路

 定電流回路は一定の電流を流す回路ですが、電源電圧が変わると流れる電流が大きく変わり、これが気に入りませんでした。かと言って定電流素子やジャンクション・フィード・エフェクト・トランジスターを買う気にもなれません。何とかして、電源電圧が変わっても、流す電流の量を一定にしたいです。

 それとは別件でネットサーフィンしていたら、気になるサイトを見つけました。

2SC1815 2個で白色LEDを定電流駆動 3 ダーリントン接続
http://eleclabyrinth.blog.fc2.com/blog-entry-164.html

 この回路を改造してみました。

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 電源電圧 4.5V の時に、LED に流れる電流をおよそ 5mA にしました。

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 電源電圧 6V の時、普通の定電流回路では 6.7mA なのに対して、改造した回路では 5mA です。

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 電源電圧 12V の時、普通の定電流回路では 13.4mA なのに対して、改造した回路では 5.4mA です。改造した回路の安定さは凄いです。
 この回路は、まだまだ改良できますが、基本的にこのままでも使えそうです。
 この回路の良さは、回路中に使える事です。電源付近やグランド付近なら、カレントミラーが良いでしょう。それでも、この性能は凄いです。どこでも使いたいです。

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 カレントミラーの例です。LED を沢山使いたい時に使えます。
posted by SIN at 18:19 | 北海道 ☔ | Comment(0) | 電子工学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする